約3年前、イチジクの苗木を30本購入しました。
購入の際、苗木を持ってきた業者が笑いながら言いました。
「イチジクで商売するつもりなら、自分でルート確保するしかないですよ」
付け加えて「というか売るとこないですよ」と言われました。
なんで購入後に言うんや。趣味で苗木30本も畑に植え付ける農家が他におるんか。
と、首を傾げたのを今でも覚えています。
そして今、イチジク用の箱が手に入らない理由も、専用箱の印字前の無地の箱さえも売ってもらえないことも、箱の相談にも乗ってもらえないことも含め、こういう大事なことを事前に知っていれば……と憤りました。
がんばってがんばってがんばっても、農家を支援するはずの組織に首を縦に振ってもらえずに出荷を諦めざるを得ない。無地の箱を千枚単位でも買うと言ってもだめでした。
わたしは畝を作ったことも毎日朝4時に起きたこともない人たちに支払う手数料のためにイチジクを育てているのではありません。
「消費者のため」だからと、最後にお化粧をさせることにも断固反対です。生産者はそんなお金だけ消える手間のかかる過程なんて望んではいません。時代の逆流はしたくありません。
わたしが一番納得がいかなかったのは、
「(作物のお化粧は)人体に安全だから問題ない」ということではなく(わたしも消費者として散々口にしている)、売りに出すのにお化粧をするのが当たり前だ、消費者のためだ、と未だに平然と言える組織の姿勢です。食育とは真逆ではないでしょうか?しかも『新鮮・安全』を売り文句にしているお店でならなおさらです。消費者に生産者の努力と作物の‘本当’と、それこそ農と健康の大切さを理解してもらうように努めるべきではないでしょうか?
どの世界にも納得のいかないことはたくさんあります。
でも納得のいかない条件をのんでまで身と畑を犠牲にするつもりはありません。
「理想じゃ食っていかれへんで」その通りです。生きていけません。
でも信念を持ち続けておかないと、いざという時に判断を誤ってしまうのではないでしょうか。
ということで、
自分自身で開拓していくしかない道へ戻りました。‘振り出しにもどる’です。笑
今までも孤立していましたが、これからも孤立です。笑
亡きおじぃちゃんのように知恵と度胸で切り開いていくしかありません。
この一週間と少しの間、いろんな人の声が聞けて、現場を見れて、実態が把握できてよかったなぁと思います。
おじぃちゃんに見えてきたナスでした。
負けへん。負けへんど!
わいわい。